身心脱落

道元禅師の悟りを得た時のお言葉
 
今年の夏の甲子園は仏教系の智弁学園同士の決勝戦になりましたが、宗教系の学校にスポーツの強豪校が多いことをどう思われますか?

選手個人が宗教の心得があるのかというと、多分そうではないと思います。

しかし、そういった学校には宗教と結びついた独特な行事や決まり事があり、例えば、食事を頂く時に、祈りの言葉を唱えたりしますね。  例えば、曹洞宗では、食前に「五観の偈」をおとなえします。 キリスト教系の学校では、prayer 祈りと感謝の言葉をおとなえします。 
そこに身を置くことで、知らず知らずのうちに自分を振り返って見つめ直し、リセットすることが出来ているのだと思います。
 
人はつい「あの時の方が調子が良かった」「あの時に戻りたい」「今のままでは駄目だ」「あの試合は最高だったからあれを越えることはない」などとあれこれ考えがちです。
その考えを取り除き、「原点」「初心」に立ち返らなければ本当の自分の力は出せません。 そうさせる風土が宗教系の学校にはあるのだと思います。
 
仏教では、この「原点、初心」に立ち返ることを、「帰零」つまりゼロに帰る、今の言葉で言えば、リセットといえます。  全ての執着を離れ、身心共になんのこだわりもない状態、境地のことです。 緊張を取り除き、リラックス、脱力(余分な力をぬく)、そして、心のくせを解きほぐす。  つまり、「身心脱落」の境地です。 立禅瞑想している姿勢は、くの字立ち、ゼロ立ち、または根元立ち、とも言いますが、しっかり氣を通して身心脱落した状態ですので、2~3時間ぐらい平気で気持ち良く立って瞑想していられるようになります。
 
高校駅伝の強豪、広島の世羅高校の選手は、和尚さんに坐禅指導を受けています。 やはり、選手は坐禅で自分をリセット、帰零しているのだと思います。
昔は、瞑想や無想の境地、または禅は、お坊さんの専売特許のようなものでしたが、今や世界のトップアスリートや、アップルコンピュータ創始者のステイーブ ジョブズをはじめ活躍しているビジネスマンやクリエイターは、瞑想が必ず一日のルーテイーンの中に組み込まれています。 特に大事な決断や行動する時は、帰零することが、とても重要です。
 
世界の四大聖者と言われる、釈迦、キリスト、孔子、ソクラテスは、いずれも瞑想から宇宙の真理、悟りを得ています。
 
これは何を意味しているか?  つまり、徹底的に自己と向き合う、自己の内側に目を向ける、自分の内面を探索することで、安楽の法門が開かれ、全く違う世界が大きく広がっている、宇宙の真理に近づくことが出来るということです。 
 
今日の立禅瞑想講習会のテーマは、「自分にしてもらって嬉しいことを、誰かにする。 それは、本当の意味で自分のバランスを取ることです」。
まさに、修証義の「四摂法」の実践あるのみ。
 
お待ちしております。

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